消滅蒸留所 LOCHSIDEロッホサイド19年 Old Malt Cask 1991
Douglas Laing ダグラスレイン社
1948年にグラスゴーで設立されたボトラーですが、その前身はアメリカを主な取引先とする海運業者でした。当時はブレンデッドウイスキーの需要が爆発的に高まっており、スコッチウイスキーの輸出業に進出、その時のストックを原点として、ダグラスレイン社の歴史が始まっています。
同社が日本の皆様に愛されてきた理由は、その突出して高い品質にあります。ブレンデッドウイスキーの生産者(ブレンダー)としての一面を持つ彼らは、シングルモルトとしての基準に満たない樽は全てブレンデッドウイスキーへ回し、品質に妥協しないリリースを続けてきました。
90年代末から発売開始となった Old Malt Cask シリーズは同社の中心的なシリーズで、基本的にアルコール度数50%で瓶詰めされています。素晴らしい酒質であり、同時に大変コストパフォーマンスに優れたボトルとして発売当初から発売と同時に即完売が続いているシリーズです。特に、2000年頃に発売された同シリーズの1960年代蒸留のアードベッグは大変安価で、かつ大変優れた品質によって、その後の世界的なアードベッグ人気の機運が生み出される原因となった伝説的なボトルと言われています。
同社は2013年に分社をして、弟のフレッド・レイン氏がダグラスレインという会社名を引き継ぎ、現在では娘のキャラ・レイン氏と共に同社を盛り立てています。 ブレンダーとしての経験を大いに生かし、ビッグピートを始めとする革新的なエリア別ブレンデッドモルト、リマーカブルリージョナルモルトシリーズをリリースするなど、意欲的なリリースを続けています。
消滅蒸留所 Lochside ロッホサイド
もともとジェームス・ドーチャーというビール醸造所でしたが、1957年にウイスキー蒸留所として創業。
蒸留所はグレーンウイスキーとシングルモルトウイスキーを敷地内で製造。いわゆる Single Whisky シングル・ウイスキー(一つの敷地内で製造したモルトウイスキーとグレンウイスキーをブレンドしたウイスキーの名称)を製造できた蒸留所でした。
スペインの会社 (Macnab Distillers マクナブ・ディスティラリー社) がオーナーだったため、その会社のブレンデッド/ウイスキーマクナブスやシングルモルトのオフィシャルボトル10年も、主にスペイン市場で売られていました。
特にオフィシャル品はスペイン市場以外には殆ど出回っていなかったと言われています。
1992年に最後の蒸留が行われ、蒸留所は閉鎖
2005年に建物や設備は取り壊され、消滅しました。