Knockdhu Distillery ノックデュー蒸留所
【基本情報】
所在地:Huntly の Knock(キースの町の東15km、グレンドロナック蒸留所の西北15km)
Knockdhuは「黒い丘」の意味
取水源:ノックヒルの丘の4つの泉
ピートによる麦芽の燻蒸を行わない unpeated が主体。
特別に、シングルモルト用に45ppmのheavily peated maltを使用している。ニューメイク(再留後の蒸留液)のフェノール値はかなり高めで28-35ppm。
麦芽は、Boortmalt社とCrisp社に外注している。
発酵槽は木桶で容量は30,000ℓ
ポットスティルは初留、再留、各1器ずつの計2器。
サイズは初留12,000ℓ、再留16,600ℓ。型はボール型(バルジ型)で肩幅が広く、ネックが長い。
熟成庫:伝統的なダンネージ式(3段)が3棟、ラック式が1棟
2018年現在 製造量の20%がシングルモルトとして販売されている。
主に、ブレンドウイスキー"HAIG"のブレンド用にモルトウイスキーを製造
【沿革】Distillers Company Limitedがハイランドに最初に建設したモルトウイスキー蒸留所
1877年当時、ポットスティルでウイスキーを製造していたモルトウイスキー業者は、モルトとグレーンウイスキーのどちからがより利益を得られるか、もしグレーンの方が儲かるなら、グレーンウイスキー製造に方針転換を図る可能性があった時代、その動きを牽制し、自らの利益を守るために、グレーンウイスキー業者大手6社が企業合併してDistillers Company Ltdを設立しました。現在の世界最大の酒造会社Diageoの前身です。
大手6社とはキャメロンブリッジ、キャンバス、カースブリッジ、グレンオーキル、カークリストン、ポートダンダス。
そのうち、キャメロンブリッジ以外はすべて閉鎖となっています。キャンバス、カースブリッジ、ポートダンダスはまだ市場にボトルが残っています。
そのDCLの中心地のローランドの外側に初めて建てた蒸留所がこのノックデュー蒸留所でした。
ノックデュ―蒸留所建設によって、DCLは、ウイスキーの製造と販売のすべての業種(グレーンウイスキー製造、モルトウイスキー製造、ブレンドウイスキー販売)を一手に納める企てが始まりました。
蒸留所建設は、DCLの中心的な創設メンバーであった Haig & Sonsが主導しました。選ばれた地は、地元の大麦とピートを輸送する手段として鉄道を利用できました。
【歴史】
1877年 グレーンウイスキー大手6社が合同でDistillers Company Limitedを創設
1893年 DCLが初めてモルトウイスキー蒸留所Knockdhuを建設、翌年に製造開始
1930年 DCLのモルトウイスキー製造部門会社Scottish Malt Distillersの管轄となる。
1983年 過剰生産による業界最大の不況(Whisky Loch)により、需要が無くなり、他の多くの蒸留所とともに閉鎖
1988年 Inver House社が買収
1989年 操業再開
1993年 オフィシャル・シングルモルトの名称をKnockdhuから「anCnoc」に変更
(変更の理由は、有名なシングルモルトKnockandoノッカンドーと名前が似ているため)
2001年 Pacific Spirits(タイ Great Oriole Groupの子会社)が Inver Houseを8,500万ポンドで買収
2006年 Invernational Beverage Holdings(タイ ThaiBevの子会社として同年に設立) が Pacific Spirits を買収
2014年 初めてピーテッド anCnoc を 「Peat Cutter シリーズ」として発売【フェノール値48ppm (Ardbeg並み)】