商品の特徴
Mortlach モートラック蒸留所 The Beast of Dufftown
◆ POT STILLS 蒸留器
【蒸留器の容量】
3番初留器15,000リットル、3番再留器8,760リットル
1番初留器7,500リットル、2番初留器7,500リットル
1番再留器 Wee Witchie(写真一番奥 7,880リットル)、2番再留器8,170リットル
◆ 歴史
1823年 ダフタウン初の合法蒸溜所として産声を上げた。
時はヴィクトリア期初期、産業革命のエネルギーが英国中を包み込み、活気が漲っていた。
1953年 操業開始から130年を経て、当時の経済を支える鉄橋やトンネル、駅の構築に貢献し大成功を収めていたエンジニア、ジョージ・コーウィーが新オーナーに就任
技術者という視点から、ウイスキーの製造工程を体系的に、科学的に構築する。
息子であるアレクサンダー・コーウィーはロンドン大学の薬学部に在籍し薬学で培った経験を生かし、モートラック独自の蒸溜方法「2.81回蒸溜」を生み出した。
その後アレクサンダーは62歳で引退を決意、ジョニー・ウォーカー&サンズ社に蒸溜所を売却した。
そのmeaty (ボディに厚みのある濃)な味わいは、他の蒸留所の原酒では替え難く、ジョニ黒の構成原酒として重要な役割を果たし続けてきたため、「花と動物」シリーズの一員として、1991年にオフィシャルボトル16年(シェリーカスク)がリリースされたものの、それまでオフィシャルでシングルモルトとしてボトリングされることは殆どなかった。
また、日本で80年代にジョニーウォーカーから発売された12年物のモートラックは、本国で発売されなかったため、現在では、オフィシャルの80年代以前のボトルはたいへん稀少な物となっています。
ボトラーのものとしては、シェリーカスクのGMの鷲ラベルが高名で、その80年代以前のボトルはオークションでも手に入りにくくなっており、また、大変高額になっています。
2002年に、花と動物の16年が終売となってから、再び、オフィシャルシングルモルトは発売されなくなった。
2014年に、Rare Old, Special Strength, 18年, 25年が発売され、オフィシャルシングルモルトが通常商品として発売されるようになった。
2.81回蒸留の図式
透明な麦汁と長時間の発酵から造られる発酵液は、3器の初留器に分けて使われる。
ポットの部分が円錐形の胴の部分のような独特の形状の3番初留器と3番再留器が通常のとおりにペアーで使われて、ニューポットを造る。
1番初留器と2番初留器で造られるローワインを混ぜてから、ヘッドとテールの2つに分ける。そしてヘッドをさらに半分に分けて、その半分(H1)を2番再留器に振り込み、できた蒸留液がニューポットとなる。
ヘッドの残り半分(H2)と、テールを1番再留器(最小の蒸留器 Wee Witchie「小柄の魔女」1960年代の所長John Wintonの命名)に張り込む。
ここで、3パターンの蒸留が行われる。
最初にテールをT1とT2の2つに分ける。その半分(T1)を再蒸溜し、蒸溜液をつくる。ここでは高アルコールのスピリッツではなく、重厚な低アルコールのフェインツが精製される。
このフェインツをF1とF2の2つに分けて3度目の蒸留を行う。
F1にまずヘッドの残りH2を加えて、ウィーウィッチで再蒸留したものがF4で、ニューポットに混ぜられる。
F2にテイルの残りであるT2を加えてうウィーウィッチで再蒸留し、より重厚なフェインツF3を精製して、更に残りのヘッドH3を加えて通算4度目の蒸留をして、蒸留液のハーツの部分だけを回収したものがF5で、ニューポットに混ぜられる。
すべての蒸留器を比較的敏速に稼働させて、蒸留器の内側の銅に空気が当たって銅が元の状態に戻る時間的な余裕を持たせず、また、すべてのラインアームは冷却水を張り込んだウァームタブにつながれている。蒸留器の内部の胴に当たる空気が欠乏している状態で行われるこの複雑な製法によって、ニューメイクスピリッツに硫黄分と「肉のような濃く meatiness」ができ、第1再留器で造られる「ダメな蒸留液」が更に肉のような味わいを増大させる。熟成は様々な樽で行われているが、その重い酒質はシェリーカスクとの相性が素晴らしく理想的。
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