Balvenie バルビニー蒸留所 「山麓の集落」
蒸留器 初留5基、再留6基 すべてバルジ型
1892年 グレンフィディック創業の5年後、W. & J. Grant社が、グレンフィディック蒸留所の北300mに建設。面積12エーカー(=48,500㎡)。元々は Glen Gordon という名称で知られていました。
バルベニーとは、廃墟となっている隣接の古い巨城バルベニー城に由来します。それを改造し、ラガブリンとグレンアルビンの中古蒸留器を購入して操業開始。
廃墟となった後に再建されていた建物も放置されていましたが、それを製麦場に改築しています。
そこで、使用する麦芽の10%をフロアーモルティングで精麦しています。精麦の過程で、ピートによる麦芽の燻蒸を行うことがバルベニーの蒸留したてのスピリッツの味わいに影響を与えていると信じられています。また、一部に自社畑の大麦を使っている。
ブレンドウイスキー Grant'sグランツのモルト供給源として製造されていました。
1973年に最初のオフィシャルシングルモルトが発売されました。
以後も、グランツのモルトを製造するという基本的な目的のため、シングルモルトの販売は控えられてきました。
1990年のキニンビー蒸留所建設によって、バルベニーのシングルモルトの販売が増えました。
2007年のアイルサベイの建設によって、バルベニーがシングルモルトの販売を増量することができ、シングルモルトブランドとしてブランド力が急成長しました。
面白いことに、バルベニーの蒸留器を複製したキニンビーとアイルサベイのニューメイク・スピリッツの酒質は、バルベニーと異なったものになっています。
現在、ブレンダーにはシングルモルトを販売しておらず、グレンフィディックを少量混ぜた「ティースプーンモルト」として販売している。その名称を「Burnside バーンサイド」と言います。
◆ バルベニー蒸留所は、樽熟成を2種類の樽で段階的に行う「フィニッシュ」を早期に始めた蒸留所の一つ。
Double Wood 12年は、バーボン・バーレルで初熟し、シェリー樽で短い期間、後熟したもので、1993年に発売。2019年現在は、Double Wood 17年, Caribbian Cask 14年、Port Wood 21年が販売されています。
Founder's Reserve は、コニャックスタイルのボトルが1980年代から発売されており、90年代初めまで販売されていましたが、90年代ボトルには熟成年数10年が記載されます。2005年頃に終売となっています。
Single Barrel 15年は1994年に発売開始、2015年終売。
【歴史】
1892年 グレンフィディックの隣に蒸留所を建設
1893年 蒸留開始
1957年 蒸留器を2器増設
1965年 蒸留器を2器増設
1971年 蒸留器を2器増設
1973年 最初のオフィシャル・シングルモルト・ボトルを発売
1990年 キニンビー蒸留所をバルベニーの敷地内に別建物として建設
1993年 Doube Wood 発売開始
2010年 Balvenie Tun 1401 Batch No.1発売
2014年 Balvenie Tun 1509 を発売(1401を再現したもの)