商品の特徴
エドリントングループ 及び 周辺企業
1855年 グラスゴーのウイスキー仲買人William A Robertsonによって築かれた。
1860年 Robertson & Baxterを立ち上げ、蒸留所とブレンダーの間をつなぐブローカーとして成功。
1870年 The Clyde Bonding Companyを立ち上げ、原酒を熟成する保税倉庫業を開始。
保有する保税倉庫を基に、2000年代には、世界最大の酒類流通企業であるオランダのMaxxium、日本のビーム・サントリー、フランスのコワントローと提携し、世界60カ国以上で、酒類流通業を展開している。
1880年 Islay Distillers Ltdを創業し、ブナハーブン蒸留所1983年操業開始
1884年 The Clyde Cooperage を立ち上げ、製樽業を開始。
1885年 ノースブリティシュ蒸留所の株主となる(現在、株式50%保有)
1887年 業界不況のため、ブナハーブン蒸留所のIslay Distillers Ltdと、William Grant & Coが所有していたグレンロセス蒸留所を企業合併し、Highland Distillersを立ち上げ
1892年 Highland Distillersがグレングラッソウ蒸留所を買収
1899年 Highland Distillersがタムデュ蒸留所を買収
1923年~1933年 アメリカ禁酒法時代に、BBR社のカティーサークを闇市場に供給。
1937年 Highland Distillersがハイランド・パーク蒸留所を買収
1961年 創業者の孫の3姉妹 Robertson sisters (Elspeth, Agnes, Ethel) によって、The Edrington Group が立ち上げられた。その持株会社The Robertson Trustは、毎年10億円を慈善事業に投資している。企業全体の収入は毎年400億円以上。
1970年 Highland Distillers がフェイマスグラウスを買収し、ブレンドウイスキー業界に参入
1982年 Macallan-Glenlivet plc.から、Macallan Distillers Ltdにラベル表記を変更。
1996年 マッカラン蒸留所の株式75%を取得。ロバートソン家の関連企業をすべてエドリントングループの子会社とする。
1999年 Edrington Group が William Grant & SonsからHighland Distillersの株式を買収、株式100%取得。マッカラン、ハイランドパーク、グレンロセス、ブナハーブン、タムデュを完全に傘下に収める。
2003年 ブナハーブン蒸留所とブラックボトル・ブランドをバーン・スチュアート社に売却
2011年 タムデュ蒸留所をイアン・マックロード社に売却
Highland Park ハイランドパーク蒸留所
ハイランドパークの特徴は、麦芽乾燥に使っているピートの特徴に由来しています。
ピートは何千年もの間、何千年もの間に堆積して腐食した植物からできています。元になる植物はスコットランド各地で異なります。それを乾燥し燃やしたときに発生するフェノール(煙のような香り)は各地の植生に応じて異なるものとなります。スコットランド本土のピートは、比較的、スモーキーさが強いものになります。木に由来するリグニンが比較的多く含まれているためです。アイラのピートは海藻が含まれており、クレゾール(タールのような香り)が比較的多く含まれています。それらに対して、オークランド諸島のピートはミズゴケとヘザーから出来ているため、本土やアイラのものとは異なる香りとなります。それらに比べて、比較的スモーキーさは軽い一方で、香気は強く、ヘザーの香りがあります。
ハイランドパークではピートは蒸留所のキルンで焼かれ、それによって製麦されたスモーキーさの強い麦芽は、1回毎の糖化に使われる麦芽の量のうち20%を占めています。残りの80%の麦芽はスコットランド本土産のピートを焚かない麦芽を麦芽製造会社から購入して使っています。
ハイランドパークのもう一つの特性はその後の熟成に由来します。オフィシャルボトルには、2004年以降シェリー樽原酒を100%使用しています。
樽材はヨーロッパオークとアメリカンオークを併用しており、また、再貯蔵樽も使用しています。シェリー樽によって、比較的軽いスモーキーさと、香味と、フルーツの味に、深い芳醇さが加えられます。
製造能力 年間250万リットル (ピュア・アルコール換算)
発酵時間 52時間-96時間
シングルモルトとしての使用率 33%
1回の製造工程(one batch)で使用する粉砕麦芽の量 6.4トン
麦芽のフェノール値 3ppm 未満
水源 蒸留所下のクランティット Crantit の井戸水で中硬水
※ 硬水は鉄やマンガンなどが着色などの悪影響を及ぼすため醸造には不向きとされ、多くの蒸留所では軟水を使っている。しかし、カルシウム、マグネシウム、亜鉛などはウイスキー酵母の増殖に必須なミネラルであり、また、カルシウムは酵素のはたらきにも影響するので、水の硬度だけでは、ウイスキー製造用の仕込水としての適性を判断できない。
ハイランドパークは、スキャパ、グレンリベット、ストラスアイラ、オーバン、グレンモーレンジと並んで、中硬水を使って銘酒が造られることを証明する代表的な一例。
※ 中硬水は、WHO(世界保健機構)の水質ガイドラインでは、硬度60度までを軟水、硬度120度までを中硬水(中程度の軟水)、硬度180度までを硬水としています。それ以上の場合は、高硬水としています。
硬度は水に含まれるカルシウムとマグネシウムの量で計算します。硬度=(カルシウム量×2.5)+(マグネシウム量×4.1)。
硬度1度=1mg/1リットル。1リットルの水に、(カルシウム量×2.5)+(マグネシウム量×4.1)=1mgの場合、硬度1とします。
例えば、1リットル中に、カルシウム20mg、マグネシウム13mgがあったとすると、硬度=(20×2.5)+(13×4.1)=103.3となり、61度以上で、120度までですので、「中硬水」ということになります。
糖化槽 ステンレス製セミローター式(*写真参照)
酵母 Kerry M & MX
麦芽 Simpsons 社から調達
発酵槽 木製12槽 容量3万6千リットル / 仕込量2万9千リットル
初留釜 写真奥2器 プレーン(ストレート)型2器 / 容量18,000リットル / 仕込量14,500リットル
再留釜 手前の2器 プレーン(ストレート)型2器 / 容量12,000リットル / 仕込量9,000リットル
加熱方式 水蒸気コイル加熱
冷却器 シェル & チューブ
ニューメークスピリット度数 70%
樽詰度数 69.5%
熟成庫 バット樽2万8千樽分
創業1798年と言われるが定かではない。創業者も聖職者からウイスキー密造業者となったMagnus Eunsonなのか、農夫のDavid Robertsonなのかは、いまだ不明。
1816年 税務署課税官の John Robertsonが製造を統括する。
1826年 Robert Borwick が蒸留免許を正式に取得し、現在の蒸留所を建設
1840年 Robert Borwick の息子の George Borwick が経営を引き継ぐ
1869年 George Borwick の弟 James Borwick が経営を引き継ぐか、蒸留所を手放すことを考える。
1870年代 William Stuart (当時ミルトンダフ蒸留所のオーナー)が買収。
1876年 Stuart & Mackay によってインドとノルウェーへの輸出が始まる。
1885年 James Grant(前のグレンリベットのオーナー)と共同経営
1895年 James Grant の単独経営となる。Robertson & Baxter と関係を築く。
1898年 蒸留器を2器から4器に増設
1937年 Highland Disitllers (Roberton & Baxterの株式を持っていた) に吸収される。
1970年代 初めてシングルモルト8年が発売される
1980年代 シングルモルト12年と18年が発売される。
1986年 観光案内所を設置
1999年 Highland Distillers が Edrington Group と William Grant & Sons に買収される
2013年 Warriors が免税店で発売開始
Macallan マッカラン蒸留所
近隣蒸留所: Aberlour, Craigellachie, Glen Spey
1824年 大麦農家 兼 教師Alexander Reidが「Elchiesエルキース蒸留所」の蒸留免許を取得
1868年 James Stuartが蒸留所の借地権を取得し、蒸留所を改築
1892年 タリスカー蒸留所の前のオーナーRoderick Kempに蒸留所を売却
1909年 ロデリック・ケンプが逝去、財産保全のためRoderick Kemp Trustを立ち上げ
1954年 初留器1器、再留器2器を増設し、初留器2器、再留器3器の計5器となる。
1961年 マッカラン蒸留所がイースターエルキーハウスの土地と建物を買収
1965年 蒸留器を7器増設し、計12器となる。
1966年 オーナーの 企業合同 Kemp Trust が有限会社となる
1968年 グループがロンドン株式取引所に株式を公開
1974年 蒸留器を6器増設し、12器から18器となる。
1975年 蒸留器を3器増設し、21器に増設
1976年 シェリー樽確保のため、スペインのエミリオルタス社と提携。
スパニッシュオーク樽の新樽を自ら調達し、スペインのエミリオルタス社で2~3年のオロロッソシェリーのシーズニングを行い、スコットランドに船で輸送し、マッカランのニュースピリッツを詰める。
1986年 サントリーが株式の25%を取得
1996年 Highland Distillers が株式の75%を取得。マッカラン蒸留所はケンプ家の所有から離れサントリーとHighland Distillersの傘下に入った。
1999年 Edrington Group が William Grant & Sons から Highland Distillersの株式を買収し、Highland Distillersの全株式を取得。
マッカラン蒸留所の株式は、サントリーが25%、エドリントングループ75%の保有となる。
2000年 マッカランの最初のシングルカスクボトル Exceptional 1を発売
2001年 観光案内所開所
2004年 Fine Oak を発売開始
2009年 Macallan 1824 シリーズを免税店で発売開始
2014年 新蒸留所の建設を発表、Macallan "M”と Rare Cask を発売開始
2018年5月 新蒸留所竣工(約250億円/£140m)。旧蒸留所を閉鎖。
初留器12基、再留器24基の計36基、年間生産能力は1,500万リットルは、グレンリベット、グレンフィディックに次ぐ業界3位。
ハイランドパーク蒸留所 糖化槽と発酵槽
糖化槽は、回転式熊手の取り付けてある回転翼が水平方向に回転するが、回転翼自体は上下しないセミロイター式。一つ一つの熊手は垂直方向に回転する。
発酵槽は、木製
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