商品の特徴
ローモンド・スティル
ロッホローモンド蒸留所には、3種類のポットスティルが計11器あります。
4器は伝統的なポットスティル、4器はローモンドスティル、3器はコラムスティル。
ロッホローモンド蒸留所は、1986年にGlen Catrine Bonded Warehouseが買収後、スコットランドで最も革新的な蒸留所の一つとして生まれ変わり、今後の飛躍が期待され、注目されている蒸留所です。
1993年に、グレーンウイスキー製造のため、連続式蒸留器コラムスティル2器を設置しました。
2007年に増設した連続式蒸留器1器では、ニッカと同様に麦芽100%を使用したモルトウイスキーをこの蒸留器で製造しています。日本ではモルトウイスキーに分類されていますが、英国の税法上はグレーンウイスキーに分類されています(ポットスティルで蒸留されていないため)。
ローモンドスティルは、現在、このロッホローモンド蒸留所と、スキャパ蒸留所(初留)のみで使用されています。
ローモンド湖
ロッホ・ローモンド(ローモンド湖)は、英国で最大の淡水湖で、南北約38km、東西は最も幅の 広い所で約7km、面積の71平方kmは洞爺湖とほぼ同じ、最大水深は湖面から198m、海面から189mである。スコットランドのほとんどの湖 (Lochといわれる)と同様に、氷河の浸食で出来た深い谷が、氷河期が終わって陸地が上昇したので内陸湖になったものである。ロッホの中には小さなもの まで数えると30以上の島があり、農場があって人が居住している島や、かってウイスキーの密造が行われていた島もある。周辺の多くの山々、渓谷、森林、湿 地は自然生物の宝庫である。
このロッホ・ローモンドから流れ出している川がリーヴェン川(River Leven)で、湖南端の流出口にあるバロッホの町から河口のダンバートン(Dumbarton)までわずか6.5kmの短い川であるが、一年でロッホ・ ローモンドの総水量の半分、6億トンを流出するといわれるだけあって水量豊かで流れも速い。
スコットランド民謡「ロッホ・ローモンド」
スコットランドの反乱軍兵士の悲しい運命を歌った民謡として、世界で最も有名な民謡の1曲です。
Peter Hollens の歌でお聴き下さい。
★ 民謡ロッホ・ローモンドの歴史的背景
17世紀後半のイギリスでは、名誉革命によってカトリック教徒のジェームズ2世が退位し、プロテスタントのメアリー女王が即位していた。
しかし、スコットランドを中心とするカトリック勢力は、その後もジェームズ2世の血統に属するステュアート家の復興を目指していた。この勢力はジャコバイトと呼ばれる。
名誉革命で王位を追われたジェームズ2世の孫ボニー・プリンス・チャーリーは、1745年にグレンフィナンで反乱の旗を揚げた。
同 年9月には首都エディンバラを陥落させ、その後の戦いでも圧倒的な勝利を収めた。しかし、やがてイングランド軍の圧倒的兵力の前に退却を余儀なく される。ついには1746年4月のカロドン・ミュアの戦いで、ボニー・プリンス・チャーリーは決定的な敗北を喫することとなった。
この反乱の中で死んでいった兵士のを歌った歌がこの民謡です。
Oh ye'll tak' the high road, and I'll tak' the low road
君は高い道を行き 僕は低い道を行く
低い道を行くのがイングランド軍との戦いで亡くなったスコットランド兵の魂、高い道を行くのが生き残ったスコットランド兵士。
ケルト文化には、「故郷から離れた土地で亡くなった者には、妖精が魂を故郷まで案内する」という信仰があり、それがこのコーラス部分の「low road」に暗示されています。
★ ロッホ・ローモンド(三宅忠明:訳)
あの美しい岸辺、
あの美しい丘、
ロッホ・ローモンド(湖)に日が照るところ、
恋人とふたり、
いつもかよった、
美しい美しいロッホ・ローモンド(湖)の岸辺。
おお、君は高い道を行け、
ぼくは低い道を行く。
スコットランドにはぼくが先に着く;
だけど、恋人には二度と会えない、
美しい美しいロッホ・ローモンド(湖)の岸辺で。
ぼくたちが別れたのはあのときだった、
あの谷の陰で、
けわしいけわしいベン・ローモンド(山)の中腹で。
ハイランドの山々が
むらさきにかすみ、
薄明かりの中に月が出ていた。
おお、君は高い道を行け、
ぼくは低い道を行く。
スコットランドにはぼくが先に着く;
だけど、恋人には二度と会えない、
美しい美しいロッホ・ローモンド(湖)の岸辺で。
小鳥が歌い、
野の花が咲いていた、
陽光の中に湖水が眠っている。
だが、傷心の心で、
来年の春を見ることは出来ない。
苦悩する身でことばも交わせない。
おお、君は高い道を行け、
ぼくは低い道を行く。
スコットランドにはぼくが先に着く;
だけど、恋人には二度と会えない、
美しい美しいロッホ・ローモンド(湖)の岸辺で。
Loch Lomond ロッホローモンド蒸留所
近隣蒸留所: Glengoyne, Inverleven, Kinclaith, Littlemill, Glenkinichie
1966年 蒸留所操業開始。Duncan Thomas と Littlemill Distillery Company Ltd とシカゴのBarton Brandsの共同出資
1971年 Barton Brandsが株式の100%を取得して,単独オーナーとなる。
1984年 操業停止
1985年 Inver House Distillersが買収
1986年 Glen Catrine Bonded Warehouseが買収、操業再開(1994年にグレンスコシアを買収)
1990年 ローモンド式蒸留器を2器設置
1993年 連続式蒸留器を2器新設(グレーン・ウイスキー製造開始)
1998年 スワンネックのポットスティル2器を増設
2004年 ピーテッドタイプのシングルモルト Croftengea 発売
2005年 ヘビーピーテッドCraiglodge と ライトピーテッドInchmoan 発売
2006年 ミディアムピーテッドInchfad 発売
2007年 連続式蒸留器を1器増設。100%麦芽を原料に連続式蒸留器で製造するグレーンウイスキーの製造開始(日本のニッカのカフェ式モルトウイスキーと同様のウイスキー。
* 英国ではポットスティルで蒸留されていないため、グレーンウイスキーに分類されます)
2016年 ストレートネックのポットスティル2器を増設
★ピートを燻す量に順じ、製品の名称を変えているユニークな蒸留所
Craiglodge > Croftenga > Glen Douglas > Inchfad > Inchmoan > Inchmurrin > Old Rhosdhu
★ "Single Blended Whisky" を製造できる蒸留所
敷地内に、単式蒸留機と連続式蒸留器があり、単一蒸留所のモルトウイスキーとグレーンウイスキーだけでブレンドウイスキーを製造できる。他に、ウイリアム・グラント&サンズ社のガーバン蒸留所が2007年に敷地内にモルトウイスキー蒸留所のアイルサベイを設置したのでシングルウイスキーの製造が可能です。
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